これからは、フランシスと私なんかに尽くして人生を棒に振りそうな不幸な騎士の為に尽くす。

昼間は猫になるような女が帝国に帰って何が出来るのだろう。
キルステンの足を引っ張るだけだ。
ここで夜だけ開店の花屋として生活している方が、絶対良い。
帝国に戻れば、キルステンは昼間は猫になる駆け落ちまがいをした妻を持つ皇太子として笑われる。

(⋯⋯私の存在は恥だ⋯⋯こんなつもりじゃなかったのに)

「フランシスはとにかくキルステンの子じゃありません」
「いや、でもあの夜、血が⋯⋯」
キルステンに破瓜の血について指摘されて、私の頭はフリーズした。

「あ、あれはキルステンが大きいから!」
「ええ?」