皇妃を断頭台で処刑するだけでは止まらず、皇妃の家門であるアボット侯爵家の身分を剥奪し、一族もろとも国外追放にした。

従来の国外追放は生涯ルスラム帝国に足を踏み入れない約束をし、条約を結んでいる国にある程度の生活を保障して追放するものだった。

しかし、エマヌエル皇帝はアボット侯爵家の幼い子から余命幾許もないご老体まで身ぐるみを剥がし未開の島に追放した。事実上、処刑と変わらない処罰。

それは、当時の帝国法と照らし合わせても厳しすぎる判決で、エマヌエル皇帝陛下が皇権を発動して無理やり推し進めたもの。当然反感を買った。