男の罪状は皇族暗殺未遂。極刑相当の罪だ。おそらく男はアルベール王国の人間。本来ならば然るべき手順を踏み、刑罰を確定してから処刑するのが妥当。ルスラム帝国とアルベール王国の力関係を鑑みれば、アルベール王国は男を即日処刑した事に抗議できない。

しかし、周辺諸国は今回の即日処刑に対し、国際条約に違反すると指摘して来るかもしれない。今まで冷静沈着な君主と評判だったルスラム帝国次期皇帝のキルステンに対し、危機感を覚えるだろう。

「アルマはどこ?」
周りを見渡すも彼女の姿はない。