「クリフトン様、どうしてここに? ここはどこですか?」
「ここはアルベール王宮よ。私は貴方の怪我を治すようにキルステン皇太子殿下に呼ばれて来たのよ。十時間も費やして、やっと治したわ。フェリクスちゃんと、フランシスも無事だから安心しなさい」
状況が全て飲み込めない。
キルステンの全身を見ても怪我をしてないように見える。
とりあえず、彼を守ることはできたようだ。
「良かった。キルステンが無事で」
「何が良かったんだ。君は危うく死ぬところだったんだぞ。また、キルステンは私の命だからとでも言うのか? もう、良い加減にしてくれ」
キルステンが感情を露わにしている。



