どうやらフェリクスも同じ感想を持ったようだ。猫の姿になっても、首には彼のくれたリングのネックレスが揺れている。首輪みたいで何だか可愛らしい。

「キルステン皇太子殿下万歳! 聖女アルマ万歳!」
周囲が大スターが見えたことで沸き立っている。

キルステンは以前私とペアで作った緑色の礼服を着ている。もう、彼とペアで服を作ることもないだろう。私の中に彼と対になるドレスを着て舞踏会で踊った思い出が蘇る。
白馬にまたがる彼は本当に御伽話の王子様のようだ。

太陽の光が差し込んで眩く光る金髪に、新緑を思わせるエメラルドの瞳をしたアルマは聖女を思わせる純白のシンプルなドレスを着て馬に横乗りしている。