「俺たちも、もう寝よう。明日はキルステン皇太子殿下も来るが、アルマも一緒だ」
「そうだね。用心しないと」
アルマは魔女の中でも特別に強い力を持っている。それならば、明日、私たちの予想を越える何かが起こってしまう可能性がある。

♢♢♢

私とフランシスは猫の姿でフェリクスに抱っこされて、パレードを見学することにした。私たちが陣取ったのは四つ角にある雑貨屋の前。キルステンが近くを通ると思うと緊張する。フランシスは初めて人混みの中に来たのに、物珍しそうに周囲を食い入るよう観察していた。

「にゃー、にゃーん。(この街って、こんなに人がいたのね)」
「本当に凄い人だな」