「はい、どうぞ。どなたかに告白ですか?」
「そうよ。私の積年の想いをキルステン皇太子殿下に伝えたいの」

私はフェリクスの想いに応えようと思っていた矢先に出てきた「キルステン」の名に動揺した。
(紫色はキルステンの瞳の色⋯⋯)

ルスラム帝国はアルベール王国とついに国交を結んだ。明日、キルステンが王城に向かう途中、私たちの街をパレードのように通る。

「キルステン皇太子殿下にお渡しできると良いですね」