私はクリフトンから隠しきれない孤独のような感情を感じ取っていた。自分を呼びつけながら罵倒から入る彼の心の内を理解する事は難しい。

「王女の私にメイドのように案内をしろと行ってるの?」
(王女?)

彼の言葉に今後、彼を女性扱いするべきだと理解した。

「クリフトン様しか、ここにいないので⋯⋯私が探検してローズパレスを探すのも楽しそうですけれど」

クリフトン様はふんっと鼻で笑うと、緑のアーチを奥の方に歩いて行った。鳥や虫の鳴き声だけが静かに響き渡る。
私とフェリクスは彼女の後を静かについていった。