私は一瞬何を言われているのか分からなかった。クリフトン様は前世の世界でいうところの「オネエ」。しかし、この世界にオネエという概念は存在しない。そのせいか、フェリクスも事前に彼のことを性別もこの世の原理も全てを超越した方だと私に説明した。前世と今世も合わせてオネエに会うのは初めてだが、非常に毒舌だ。しかしながら、彼の的を射た意見に胸が痛くなる。

「私は自分の足で立っていけるようになりたくてここに来ました。立ち話も何ですから、中に案内して頂いても宜しいですか?」

夜風が寒くて寝入っているフランシスが起きてしまいそうだ。