クリーム色のドレスを着た一目で分かる高貴さを持った彼の正体を、私は肖像画を見て知っていた。肖像画の彼は軍服を着ていた。彼の肖像画から想像していた印象は婀娜っぽい女を垂らしこむ危険な男。だけれども、今、彼はドレスを着ている。

「クリフトン様、初めまして、エリナと申します」
私が優雅にゆっくりとお辞儀をすると、彼は私を見下すような目で意地悪そうに笑った。

「成る程、厳しく採点してしようとしても、減点する箇所が見つからないくらい美しいわね。貴方がアルベール王国の人間なら今すぐ地下牢行きにしてるわ」

クリフトン様は自分より美しい人間は地下牢に入れるという噂がある男。