私の願いを聞き入れ、猫にしてくれた。このまま皇城に行き、キルステンの飼い猫を目指せば良い。人間の知恵を持っているのだから、聡明な猫だと思って貰えるはずだ。私は柳の木ではなく猫にしてくれた神に感謝した。

「ヘルカ! さっきから騒いで何事だ? ビルゲッタはどうした? キルステン皇太子殿下の誕生祭だぞ」
兄のケネトが銀髪を振り乱し部屋に入って来た。

「にゃ、にゃあーん。(お兄様、気がついて!)」
私はケネトの足に寄り添ってみた。 ケネトは私をそっと抱き上げると、ヘルカに指示を出す。