妻、猫になり逃走中! 至急確保し溺愛せよ!

『気品』や『誇り』と言った花言葉のあるパープルローズに、色とりどりのラナンキュラスを贅沢に使いリースを作る。

「おい、エリナ!」
リース作りに没頭していると、急に後ろから話しかけられる。
作りかけのリースを取り上げまじまじと見つめるジャスパー。

「リースを返してください。作ってる最中です」
私の言葉にジャスパーは呆れたように肩をすくめた。

「目立たないようにという約束だ。こんなものを店に出したら、花好きの奴らが飛びついて話題になっちまうだろ」

「違うんです。これはフランシスの誕生を祝福して作っているものでして」