「いらっしゃい。セレストさん」
「今日はスイカズラで花束を作ってくれる?」

私は頷きながら、彼女に何かあったのか心配になった。スイカズラの花言葉は『献身的な愛』。いつも明るく時には失言もするセレストさんが今日は神妙な面持ち。

「できました。どうぞ」
私の作った花束を見るなり、セレストさんはゆっくりと首を振った。

一瞬、私は不安になる。

「違うの。これは貴方の旦那様にあげて欲しくて買ったのよ。フランシスの瞳の色は綺麗ね。旦那様は何も言わないの?」

フランシスの瞳の色はキルステンそっくりの紫色。
私の瞳は琥珀色で、フェリクスはルビー色の瞳をしている。