キルステンはヒロインのアルマ一筋だ。 原作でビルゲッタはキルステンに断罪される運命だが、きっと私の好きな男はそっと離婚を告げるだけ。彼のことだけ考えて生きてきた私にとってはそれは死刑宣告と変わらない。

キルステンの側にいたい。彼が窓からいつも見ている柳の木にでも良いから、彼の側にいて彼の心を癒したい。

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「ビルゲッタ様、起きてください! そろそろ、キルステン皇太子殿下の誕生祭のご準備をしないとなりません。最高の姿をお見せするのですから、お時間が必要です。ケネト様が、昨夜ビルゲッタ様のドレスを皇城から持ってきてくださったのでご安心ください」