窓から差し込む朝の光が私を照らす頃には、私はまた猫の姿になっていた。私をしっかりホールドしていたキルステンの腕をすり抜ける。開け放ったガラス扉からバルコニーに出て、ズリズリと蔦を頼りに城壁を降りた。

「にゃー!(フェリクス!)」

どうやら、フェリクスには一晩中そこにいたようだ。少し疲れた顔をしていたが、私を抱き上げると柔らかい表情になった。

「行こうか、ビルゲッタ」

「にゃん(うん)」

私はフェリクスの判断に従った。ここにいても、猫の私はキルステンの役には立てない。
私は二階のキルステンの部屋を見上げる。