妻、猫になり逃走中! 至急確保し溺愛せよ!

「ちょっと、ここ二階!」
私は目をぎゅっと瞑りながら、フェリクスにしがみついた。
夜空に月明かりに照らされた自慢の銀髪が舞う。

春にしては冷たい夜風を感じ震えていると、フェリクスに騎士服の上着を肩から掛けられた。

「はい、到着! 今から、アルベール王国に逃げよう」
「逃げる?」

アルベール王国は花の輸出で有名な国。叶わなかったが、私はいつかキルステンと訪れてみたいと思っていた。

「夜だけ人間に戻れても、昼間は猫。それは呪いだ。そして、その呪いはお前の命を狙って掛けられたもの」

「私、狙われてるの?」

私の質問にフェリクスが静かに頷く。