「っ、ごめんなさい」

今日も働かない頭と疲労で重い体を鞭を打って動かして。

ミスを連発して上司に怒られるのはいつものこと。

おぼつかない足取りで会社を出て、ぎゅうぎゅうの満員電車に押し込まれて、何かが溢れそうになるのを堪えて家路につく。


「っ、ごめんなさい」

俯いていたせいで、わたしは誰かにぶつかって、カバンの中身がバラバラっと音を立てて落ちる。



何かが、崩れた気がした。