恋と宗介が玄関に出ていくとドアの外には美風が立って
いた。

 
「おはよう、新田さん」


 美風は笑顔で言った。


「駒井んち行くのに一緒に行こうと思って。迎えに来た
よ。さっき新田さんちのママに聞いたら上野んちに居るって聞いたから。」

「恋は僕と駒井んちに行くんだよ。樋山は余計。」

「英語という科目がある限り、難しい問題が出た場合の総合点は上野より僕のが上に違いない。僕英語はいつテストがあっても満点なんだ。まあ当然っちゃ当然なんだけど。勉強するのも、人に教えるのも嫌いじゃないし。今日もみんな僕が新田さんに教えるから、上野、お前は家に居れば。」

「鬱陶しい奴だな。クォーターを自慢して。恋はいつも僕に教わってるから、今日もいつも通りの方が合うに決まってる。お前が英語が喋れるのは当たり前だろ、外人なんだから。頭来る。お前の方が、イギリスに帰れば。戻って来なくて良いから。イギリス人の友達と勉強会してろよ。」

「そろそろ理央の家に行こうよ。」



 恋達は自転車で理央の家へ向かった。