新見の携帯にタクシー配車アプリの通知が届く。
「タクシー着いたみたいだから、そろそろ降りようか。何か家から持ってくるものとかあるかな?」
「あ、えっと……現金とか必要ですっけ?」
「ううん、そういうのは大丈夫だから。無理せずゆっくり行こう。必要なら手貸すから言って。」
新見はよろよろと立ち上がる成瀬を心配そうに見つめながら、触れて良いのか迷う素振りで彼女の後方に手を添える。成瀬は新見の手を取ることなく、足を引きずりながらも壁伝いに足を進める。
タクシーに乗って新見の勤務する病院の夜間救急センター前に到着すると、ちょっと待っててと一言残し、新見が病院内に入っていく。5分程度待っただろうか。新見が車椅子と2名ほどの看護師を連れて戻ってきた。
「すみません、お待たせしました。大嶌さん、ゆっくりでいいのでこれに移れるかな?」看護師が成瀬の体を持ち上げるようにして車椅子に移す。あっという間に病院内に連れて行かれる成瀬を見送り、新見が急いでタクシー料金を払う。
新見が先に成瀬の状態を担当医に伝えたため、検査と診察は迅速に進んだ。成瀬が診察を受けている間、新見はベンチに座り少しうつらうつらしながら待っていた。
そんな姿を見て病院スタッフは、あの人新見先生の彼女なのかな?いや妹じゃ…などとコソコソと耳打ちを立てる。秘密主義の新見だが、実はその外見と穏やかな性格ゆえに病院内での評価は高く女性スタッフからの人気も高い。
1時間半が経とうかとする頃、処置終わったみたいですよ、という看護師の声掛けで目を覚ました新見。処置室に入ると案の定膝下からギプスで足が固定されている成瀬がいた。
「あぁ…やっぱり骨逝っちゃってました?」
「うん〜そうだねぇ、まぁ安静にしていればちゃんとくっつきますから、ね。全体3ヶ月といったところでしょう。」
「はぁ…わかりました。ありがとうございました。」
新見が会計を済ませていると、松葉杖をついた成瀬が処置室から出てきた。
「タクシー前に着けてもらってるから行こう。ゆっくりでいいよ。」
「あっお会計……何から何まですみません。戻ってお返しします。」
「全然。松葉杖まだ慣れないよね。気をつけて。」
「ありがとうございます。」
タクシーに乗り込み行き先を運転手に伝えると、成瀬はすぐに眠りに落ちた。その横顔を見て新見の顔から笑みが溢れだす。
新見は「すみません、エアコンもう少し温度上げてもらっていいですか?あと適当に2.30分くらい走らせてください。」と小声で運転手に伝え、音を立てないように自分のダウンを脱いで成瀬の体にかける。
静かに街の明かりが流れていく…。
肩を優しく叩かれて成瀬が目を覚ますと、自宅マンションの前に到着していた。
「大嶌さん着いたよ?あともう一息。」
「ん…」
「今日は疲れたよね…。あとちょっとがんばろ。」
眠い目を擦りながらタクシーを降りると、冷たい夜風が体に染みる。半分寝ている状態でなんとか玄関前まで着いた。
「お疲れ様。眠いよね…。今日はゆっくり休んで。もし何かあったらいつでもインターホン鳴らして?俺明日明後日休みだから。」
「はい…なんかすみません…。」
「おやすみなさい。」
ふらふらと部屋に入っていく成瀬を見守りながら、部屋で転んだらどうしよう…大丈夫か?部屋の鍵ちゃんと閉めただろうか?などと心配になる新見。部屋の鍵が閉まる音を聞いてようやく新見も自宅に戻った。もう3時をすぎている…。
「タクシー着いたみたいだから、そろそろ降りようか。何か家から持ってくるものとかあるかな?」
「あ、えっと……現金とか必要ですっけ?」
「ううん、そういうのは大丈夫だから。無理せずゆっくり行こう。必要なら手貸すから言って。」
新見はよろよろと立ち上がる成瀬を心配そうに見つめながら、触れて良いのか迷う素振りで彼女の後方に手を添える。成瀬は新見の手を取ることなく、足を引きずりながらも壁伝いに足を進める。
タクシーに乗って新見の勤務する病院の夜間救急センター前に到着すると、ちょっと待っててと一言残し、新見が病院内に入っていく。5分程度待っただろうか。新見が車椅子と2名ほどの看護師を連れて戻ってきた。
「すみません、お待たせしました。大嶌さん、ゆっくりでいいのでこれに移れるかな?」看護師が成瀬の体を持ち上げるようにして車椅子に移す。あっという間に病院内に連れて行かれる成瀬を見送り、新見が急いでタクシー料金を払う。
新見が先に成瀬の状態を担当医に伝えたため、検査と診察は迅速に進んだ。成瀬が診察を受けている間、新見はベンチに座り少しうつらうつらしながら待っていた。
そんな姿を見て病院スタッフは、あの人新見先生の彼女なのかな?いや妹じゃ…などとコソコソと耳打ちを立てる。秘密主義の新見だが、実はその外見と穏やかな性格ゆえに病院内での評価は高く女性スタッフからの人気も高い。
1時間半が経とうかとする頃、処置終わったみたいですよ、という看護師の声掛けで目を覚ました新見。処置室に入ると案の定膝下からギプスで足が固定されている成瀬がいた。
「あぁ…やっぱり骨逝っちゃってました?」
「うん〜そうだねぇ、まぁ安静にしていればちゃんとくっつきますから、ね。全体3ヶ月といったところでしょう。」
「はぁ…わかりました。ありがとうございました。」
新見が会計を済ませていると、松葉杖をついた成瀬が処置室から出てきた。
「タクシー前に着けてもらってるから行こう。ゆっくりでいいよ。」
「あっお会計……何から何まですみません。戻ってお返しします。」
「全然。松葉杖まだ慣れないよね。気をつけて。」
「ありがとうございます。」
タクシーに乗り込み行き先を運転手に伝えると、成瀬はすぐに眠りに落ちた。その横顔を見て新見の顔から笑みが溢れだす。
新見は「すみません、エアコンもう少し温度上げてもらっていいですか?あと適当に2.30分くらい走らせてください。」と小声で運転手に伝え、音を立てないように自分のダウンを脱いで成瀬の体にかける。
静かに街の明かりが流れていく…。
肩を優しく叩かれて成瀬が目を覚ますと、自宅マンションの前に到着していた。
「大嶌さん着いたよ?あともう一息。」
「ん…」
「今日は疲れたよね…。あとちょっとがんばろ。」
眠い目を擦りながらタクシーを降りると、冷たい夜風が体に染みる。半分寝ている状態でなんとか玄関前まで着いた。
「お疲れ様。眠いよね…。今日はゆっくり休んで。もし何かあったらいつでもインターホン鳴らして?俺明日明後日休みだから。」
「はい…なんかすみません…。」
「おやすみなさい。」
ふらふらと部屋に入っていく成瀬を見守りながら、部屋で転んだらどうしよう…大丈夫か?部屋の鍵ちゃんと閉めただろうか?などと心配になる新見。部屋の鍵が閉まる音を聞いてようやく新見も自宅に戻った。もう3時をすぎている…。
