遠く、儚く。



鳴り続けるインターホンを聞いて成瀬も樹も飛び起きる。
双子に何かあったに違いない。
急いで衣服を直して玄関ドアを開けると律が立っていた。


「どうしたの?!」
「柚が吐いた!」
「えっ…?!」


急いで様子を見に行くと寝室で吐いていて呼吸も苦しそうだった。アレルギーだな…と直感した。樹が柚にかけ寄り、すぐに処置を始める。

成瀬は周りを綺麗に清掃しながら、柚の状態を見守っていた。


「なるちゃん、救急車呼べる?」
「えっ……?え??」
「大丈夫。落ち着いて。アナフィラキシー起こしてるから念の為、ね?」
「はっ…はい…!」


震える声で119番通報したが、不安でじっとしていられない。


「なるちゃんも柚も大丈夫だから。深呼吸して。柚ちゃんアレルギー何かあった?」
「いや今まではなかったと思う…。夕食??にしては遅くない?何だろう……柚寝る前に何か食べた??」
「…アイス……」
「ハーゲンドッツ?あ…!ナッツ入ってるやつだ…」
「ナッツね。分かった。」


救急隊が到着して、樹と成瀬も同乗する。
〇〇大学病院まで行ってください。そこの勤務医なので自分が連絡します。と樹が言って、電話をかける。

10分程度で到着し、すぐに処置室に運ばれる。
樹は柚と一緒に処置室に入って行ってしまい、成瀬だけが処置室に入らず取り残される。

自分がもっとちゃんと見守っていれば…と自責の念に駆られる。あぁ…親としての役割を完全に果たすと心に誓ったのに……。

自分の恋心に惑わされて