新しい財布が欲しいと言っていた樹に財布をプレゼントし、成瀬の奢りで夕食とデザートまでフルコースで楽しんだ後、帰宅した。
樹の家で2人で寝た日以降、休みの日には成瀬が樹の家で寝るのがお約束になった。
あの日から1ヶ月以上が経つが、未だにその…“健全”な関係で……そのことを成瀬はずっと気に病んでいた。樹は終始優しく気遣ってケアしてくれるし、私への好感は伝わってくるけど……
もしかして…私って女として魅力ない…??
シャワーをしてから樹の家に行くことになってるが、成瀬の心は複雑だ。普段は絶対に使わない香水なんて買ってしまった自分にため息をつく。
首から胸元にかけて控えめに香水を吹きかけ、最大限新しくて綺麗な下着を選ぶ。
病院で樹と親しげだった看護師が頭に浮かんでは変にライバル意識を持つ自分にも失望だ…。
おっきかったなぁ…… なんて…笑
少しでもアピールするとしたら…強いて言うなら足…か。すでに衣替えしてしまってあった薄手のショートパンツのパジャマをクローゼットから引っ張り出す。
鏡を覗きながら明らかに意識してるみたいじゃないか!と自分につっこんで、何度も着替える。パジャマでファッションショーができそうなくらいだ…。
結局無難な紺色のパイルパジャマを着た。
ピンポーン♪
成瀬が樹の自宅のインターホンを鳴らすとすぐにドアが開いた。
「いらっしゃい!」
「お邪魔しまーす。」
「ごめんまだ髪乾かしてる途中で…。ちょっと待ってて。」
洗面台に向かう後ろ姿を見るだけでドキドキが止まらない。じっとしていられず、無駄にリビングを行ったり来たりする。
「どうしたのなるちゃん…笑笑」
「えっ…いつの間にっ…」
「ちょっと前に。落ち着かないね??笑」
「えっ…そうかな…はは…」
「なんか今日いつもと違う…笑」
「そんなことな…っ!」
樹に突然後ろから抱きしめられ驚く成瀬。
優しいシャンプーの香りに包まれる。体格の良い樹の腕の中にすっぽりと収まっていると、胸の高まりは最高潮に達する。
ベッド行こっか…?と耳元で囁かれ、成瀬の体はビクッとする。
まただ…。樹は最近毎回こういう際どいアプローチをしてくるのに、いざベッドに行っても手を出してはこない。毎度変に期待しては焦らされる。
樹に導かれるまま寝室に到着する。
いつも通りなら成瀬をベッドに寝かせて布団をかけてくれるはずだ…。でも今日はいつもと少し違った。
成瀬をゆっくりとベッドに押し倒し上に覆い被さり、そのまま成瀬を優しく抱きしめる。
なんか今日いい匂いするね……と首元にから胸元にかけて鼻でなぞる。
たまらず成瀬が体を硬直させるが樹はやめない。
「服もそうだし…僕を誘ってるとしか思えないんだけど……」そう言ってパジャマのショートズボンから覗く足に手を沿わせる。
「っ……!」
「そんなつもりじゃなかった?俺の勘違い?」
「た…誕生日プレゼント…」
「ん?」
「だからっ…その…そういうつもりだよっ…」
その答えを聞いた樹はそっと成瀬を抱きしめる。
軽いキスが時間と共に徐々に濃厚なキスに変わっていく……
パジャマの中に樹の手が入ってきて背中に触れるとゾクゾクとした感覚が登ってくる。一瞬体が固まるが、絶え間ない濃厚なキスにすぐに力が抜ける。
樹が下着の留め具に手をかけると一瞬で圧迫から解放される。自分を隠して守ってくれていたものがなくなると急に頼りなくなって、一気に鳥肌が立つのを感じる。
しばらく背中をまさぐっていた手が徐々に脇腹へ…腹部へ…と移動していく。
樹の手が成瀬のふくらみに触れようとしたその時……
何度もインターホンを鳴らす音が聞こえてきた……
