遠く、儚く。



成瀬の手を引いて寝室に連れて行き、一緒にベッドに入る。誰かと一緒のベッドに寝るなんて俺自身も8年ぶりだ。もちろん手を出すつもりもないが、やはり心は高潮する。

緊張しているようで体が硬直している成瀬を腕枕して抱き寄せる。頭を撫でて優しく語りかける。


「未来がどうかは断言できないけど…少なくとも今日はずっとなるちゃんの横にいるよ。絶対に。絶対にいなくならない。」


成瀬も樹の言葉を聞いて、徐々に体の力を抜いてリラックスし始めた。

その日、成瀬は10時間眠り続け、翌朝まで一度も目を覚まさなかった ー。




清々しい気分で体も軽い。
こんなによく寝たのはいったい何年ぶりだろう…。
目を開けると横で読書やしていた樹がこちらを向いた。


「目覚めた?」
「うん…。」
「ぐっすり寝れたみたいだね。顔色が良くなってる。」
「うん…本当にぐっすりだった。」
「よかった…笑 入院治療はどうでしたか?笑」
「最高です…笑笑」


樹が横になって成瀬をまた抱きしめる。
愛おしくてたまらない…。
 

「よかった…少しでも助けになれて。」
「ありがとう…。」