ゲームという共通の趣味を見つけた二人は、タイミングが合うごとに一緒にゲームをする仲になった。休日が合えば夜が明けるまでゲームをすることもしばしばあった。
いつの間にかタメ口で話すようになり、新見は成瀬を「なるちゃん」という愛称で呼ぶようになり、成瀬は新見を下の名前で「いつき先生」と呼ぶようになった。
大勢でワイワイとゲームをすることも多いが、二人で静かにお酒を飲みながらゲームをすることもあった。家こそ違うが、会おうと思えば隣にいるという感覚が二人に特別感を感じさせた。双子を連れて4人でゲームのイベントに出かけたり、週末に食事をすることもたまにあった。
それでも、樹も成瀬もお互い最後の一歩を歩み寄る勇気が無く、季節が春を迎え、初夏に入っても二人の関係性が発展することはなかった。お互いのプライベートについて知りたいと思っても、一線を越えないよういつも線を引いているようだった。
