おまけ☆

お月見を終えた夜。

キングサイズのベッドの真ん中で──

「すぅ……すぅ……」

白いシーツの上に大の字。
小動物サイズの葵さん、占領率120%。

佐竹は眉をひそめる。

「……またか」

そっと隣に潜り込もうとすると──

「んぅ……れん……♡」

寝言とともに、がばっ!

佐竹に、ぎゅうううっと絡みつく。
片足は腰に。
片手は首に。
まるでタコのようにがんじがらめ。

「……寝相というより拘束だな」

呆れ声。
しかし頬はわずかに緩む。

「れん……すきぃ……♡」

囁くように寝言をもらし、さらに抱きしめる葵。

佐竹は観念して片腕で彼女を包み込む。

「……仕方ない。おまえの寝相には勝てん」

そして静かな夜。
マンションの高層階に、二人の寝息が重なっていった。


終わり☆ 2020.10.11