切符を買って、駅のホームから恋達は電車に乗った。

 電車の中は空いていて座れたので、恋達はコンパートメントの4人席に、恋の隣に律、前に美風と座った。

 
「文化祭の準備、もう始まってるけど、樋山くんは写真部に出展するの?」

「うん。部室によく顔出してるから。先週も個人的に撮った写真展示させて貰ったんだ。海側のお祭りを撮りに行ったんだけど、結構良く撮れてたと思う。自分で言うのも変だけどね。もしかしたら賞を取ってるかもしれなくて、今連絡待ちなんだ。」

「律の学校は文化祭とかないの?」

「もちろんありますよ。僕は文化祭で、家庭科室で焼きそばを売るんです。高等部の文化祭にイケメンは駆り出されるんですよ。あの、ほら、誰だっけ、丁度加納先輩みたいな人達居て。せっつかれるんですよ。」

「た、大変そう。」

「面白いですよ。たこ焼きの出店と焼きそばの出店どっちが良いかって聞かれて、僕は焼きそばの方にしたんです。お客さん沢山来るらしいし。もっとも、別に興味があるわけじゃなくて、強制参加ですけど。売って売って売りまくりますよ。イケメン達は写真も撮られるかもしれないって言われました。」