祭りの喧騒は、いよいよ。 花火の上がる音と、人々のざわめき。 恋は一瞬目を閉じて、 みんなが居るこの世界が終わりませんように。 と願ったのだった。 「恋!勝ったぞ、スーパーボール掬い!」 宗介の声で恋は我に返った。 「ぼーっとしてんな。しゃんとする。まったく僕の恋人っていう自覚ある?」 その時ひときわ大きな花火があがった。