ある日のこと、恋は宗介の家に来ていた。
その日宗介の母親がたまたま留守だったので、宗介がお昼にとチャーハンを作ってくれた。
リビングのテーブルの上にお皿が2つ。中はまだ出来立てだ。
宗介はキッチンで手を洗ってからテーブルについた。
「僕の特製チャーハン。エビは大ぶり。玉子はふわふわで中華風。味わって食べなよ。せっかく僕が作ったんだから。」
「いただきます」
恋と宗介は手作りのチャーハンを食べ始めた。
「そういや、言い忘れてた。」
熱々のチャーハンを食べながら宗介が口を開いた。
「海側の花火大会、今年もやるんだって。毎年盛大に開催される、賑やかな祭り。恋行きたくない?。」
「私は……」
「久々の夜デート。夜は雰囲気あるし。花火って夏の風物詩だし。カップルなんだから、そういう所に2人で顔出そうぜ。今日誘おうって思ってた。夕方から2人で、そうだ、雰囲気盛り上げるために浴衣着ようか。ちょっと面倒だけど。」
「良いね。」
「浴衣滅多に着ないから、母さんが驚くだろうな。出して干しとかなきゃ。言っとくけど他の奴を誘うなよ。僕は2人で行きたいんだから。約束したからね。」
恋と宗介は花火大会の話をしながらチャーハンを食べ終えた。


