カフェから出て数分。

 歩いて魔法を撒く活動を始めた恋は、さっき宗介に言われたばっかりなのに、もう、はぐれて迷子になっていた。

 恋は、さっき歩いたところには戻らずに、宗介達がこっちの方へ進む予定だった、などと勝手に考えてずんずん奥へ入っていった。

 本屋の並びは遠くなり、民家や狭い路地が見える。

 宗介達が見当たらないので、恋は一旦路地裏に入り、匂いから宗介達を探そうと狐の姿になった。

 ドロン!と音がして、そこに居るのは一匹の狐。