精一杯で否定したのに弘人は、 「じゃあ、何で泣きそうになってんの?」 って、また余計な事を言って、あたしの顔を覗き込む。 その瞳と重なりあった時、弘人は唇の端を上げて微笑んだ。 …その顔がムカつくほど好き。 だから、もう気持ちは押さえられない。 「ムカツク」 「あっそ…」 「年下のくせしてムカつく」 「あっそ…」 「年下なのに性格悪いし、年下なのに強引だし、年下のくせして生意気だし、年下――……」 えっ、 不意にあたしの唇に何か柔らかいものが触れた。