「ちょ、カッコいいし」

「誰?誰?」


そんな周りの声が飛びかう中、弘人はあたしの横に立ち口を開いた。


「ちょっと来いよ」


低い声で突然告げられたあたしは「えっ?」と戸惑いながら返す。


何が何だか分からない、この状況に身体は固まる。


両手をポケットに突っ込んで見下ろしてくる弘人は眉を寄せてため息をつく。



「えっ、ちょっと亜希誰なの?」


あたしの目の前に居る男好きの沙恵はハイテンションになりながらあたしの腕を掴んで激しく揺する。



「えっ、いや…ちょっと…」 


戸惑いながら返すと、隣の絵梨佳はあたしに顔を近付けて呟いた。


「もしかして年下君?」