その日の夜、何度も弘人の名前で鳴り続けていた携帯に出る事はなかった。


次の日も。
その次の日も。


正直、何の為の電話か…
何の為に話しているのかもよく分からなかった。




朝、11時頃に学校に行ったあたしはすぐにストーブの前へと駆け寄った。


「寒ーいっ…」


ストーブに手を近付けるとかじかんだ手が一気に温まっていく。


「亜希、おはよ」

「おっはよぉー」



背後から聞こえてきた絵梨佳とクラスメイトの声に振り向き「おはよ」と返す。


机の上にはあらゆるお菓子が置かれていて、その周りを絵梨佳と2人の女が取り囲む。