“はーやーく”
そう付け加えて椅子に座り込む弘人を見て、仕方なくあたしは自分の携帯を取り出した。
パカッと開けて「番号は?」とあたしは聞く。
「080−****−****」
言われた通り番号を押すと、少ししてから密かにメロディーが流れこんできた。
って言っても、そのメロディーは遠くの方からじゃなく、あたしの目の前から聞こえてくるわけで、目線を弘人に向けると弘人はうっすら笑い口を開いた。
「やった。亜希の番号ゲット」
「はぁ?!」
食堂に響き渡るぐらいの声を出し、あたしは目をパチパチさせる。
弘人は自分のポケットから黒い携帯を取り出し、パカッと開けあたしに画面を見せ付ける。



