必死で伝えるも、絵梨佳は「好きなんだ」と笑みを漏らす。
だから好きじゃないって。
目の前でニコニコしている絵梨佳に眉を寄せてため息をつく。
「だーから、あたしが昨日の今日で好きになるわけないって」
うん、あるわけない。
だけど何か分かんないけど、何かが引っ掛かる。
「それってさ、あたしは“年下”君が好きでーすって言っているようなもんじゃん。亜希の場合はね」
亜希の場合?
何それ…
浮かれた顔をして言う絵梨佳に「何であたしが?」と眉を寄せる。
「だって亜希から、そう言うの初めて聞いた。バイト先輩のどこがいいの?って聞いたら“分かんない”ってだけで、あの人の嫌な所とかイイ所とかまったく言わなかったじゃん。
なのにさ、何で年下君の事だけは口走っちゃうの?女とベタついてたからイラついてんの?もしかして嫉妬?」



