紙パックのお茶が無くなったのかズーズー音をたてながら最後まで飲み干す、この男。
軽そうなな顔して、女とイチャついていて、しかも“お前のだけ食った”っていかにも嘘っぽい事を言う、この男。
おまけに“亜希”って意味の分からないまま呼び捨てにされる始末。
って言うか、あたしが一番苦手とする“年下”の男。
「何、黙ってんの?亜希…」
ほら、また呼び捨て。
あたしの顔の前でヒラヒラ手を振って目線を合わせようとしてくる。
その目線からわざと避け、ふと目についたのは全然顔つきが変わっていない女の視線。
“まだ〜”とでも言いたそう。
あたしは、眉を寄せながら弘人に背を向けて足を進めた。



