眉を寄せて一息吐くあたしに「調べたら分かんじゃん」と、そう言って弘人は笑みを漏らしストローをくわえた。
はぁ?ありえないし…
「ってか呼び捨てにしないで」
「何で?」
「何でも」
「つーか、何で怒ってんの?」
弘人から突っ込まれた言葉に口が閉じ、ふと思った。
何で、こんなにあたしはイラついてるんだ?
しかも弘人がいる位置から通り過ぎて見えるのは壁に背をつけた女が口を尖らせながら、あたし達の方を見ている。
まるで“あたしの弘人に”って言ってるみたいだ。
「おーい。何で怒ってんの?」
顔を覗き込む弘人に「怒ってない」と声を張り上げる。
「ほら、怒ってんじゃん」



