えっ、秘密って意味分かんないし。
って、それよりもこのベッタリとした女は何?
まぁ、あたしには関係ないけど。
あたしは手に持っているマフラーを弘人と言う男に差し出し「ありがと…」と一言だけ告げる。
なかなか受け取らない弘人に眉を寄せ、あいている方の手にマフラーを握らせ、あたしは背を向けて足を進めた。
「ねぇ誰なの?」
そんな女の声を耳にしながら足を進めると「おいっ、亜希」と咄嗟に腕を掴まれ、あたしの足は止まる。
えっ…、亜希って何?
昨日、会った今日で呼び捨て?
しかも年下男に…
「えっ、何で名前知ってんの?」



