winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

「ほらね。ママはパパの声で起きたでしょ?」



拓が娘の音に自慢気に話す…



ママ起きたー



音はそう言うと拓に抱っこされて食卓の赤ちゃんチェアに座った…



「おはよう」



私はやっと目を覚ました…



「ママ起きなーい。プン」



娘の音が不満そうに横を向いて怒っている…



「音怒んないでー。だってママはパパの声が世界一好きなんだもん」



音に謝りながら私は自信満々に言った…



「てかいいち?」



まだ言葉の拙い音は首を横に傾げた…



そうだよー



せかいいちー



音ギュー



私は可愛い我が子をギュッと抱きしめた…