またお知らせの時、手を挙げても宗弥さんに名指ししてもらえない。黙ったまま「どうぞ」とでも言わんばかりに頷くだけ。
そんなに、私の名前を呼ぶのが嫌なのだろうか。
それに、保体福祉委員は加湿器を毎朝つけなければならない。いつも重い加湿器に水を入れて、さらに重くなった加湿器を教室の後ろに置く。
私は朝の会が終わったらやっていた。
それで、よいしょよいしょと運んでいると、男子はよくわざとぶつかってきた。
女子は謎にコソコソ陰口を叩いた。
多分、ブスが必死に運んでいる様子が滑稽でたまらなかったのだろう。きっと、そうだ。
ある給食の準備の時。私はその時は給食当番じゃなくて、ナフキンと箸を忘れてリュックを取りに後ろに行ったら、
「日夏ちゃんって、お母さん足悪くて、つえついてるよね?」
と聞かれた。
令和5年度まで、お母さんは美来さんたち出身の桜咲小の図書整理員であった。
だから、私のお母さんが足が悪いことを知っている。
「あ…、うん。」
そのやりとりを二見先生は離れたところから、眺めていた。
