20回くらいやって、やっとあいこになった。
「もう多分日夏勝てないから、あいこでいいよ(笑)」
「はい笑」
この時、私は思った。
二見先生はいい先生だと。
苦手だと思った時と同じように、なんの根拠もなく、直感的に。
班に戻ると
「石田雑魚すぎだろー笑」
と馬鹿にしてくる、男子たち、
「ちょっと藤也くん、勇気くん!偉そーに何言ってんの!」
と笑いながらも注意する尾形柚乃(おがたゆの)さん。
無口でありながらも微笑みを浮かべる、小学校時からずっと同じ習い事である宇野梨緒果(うのりおか)ちゃん。
その頃の私は勇気さんをはじめする陽キャ男子とよく戯れて遊んでいた。
小学校の時とは違った新鮮さと、新たな充実感を胸に、私はこの中学校生活は良いものに違いないとまたもや根拠もなく確信していた。
カレシとやらもできるかもしれない。
前まで二軍だったけど一軍になれるかもしれない。
