しばらく黙り込んだ。
今まで言わないように我慢してきたことを、今言うか悩んだ。
この事を言ったら泣きそうになるような気がして、重い口を開けなかった。
「………あ…、はい。」
ようやく、長い沈黙を突き破って私は言う。
「…なんで言わんかったん?」
「私のせいだから…。」
涙目になるのを防ごうとしても、乾燥のせいで余計視界がぼやける。
「………。」
二見先生は黙り込む。
「何されたか、言えるか?嫌だと思うから、ゆっくりでいいから。」
先生の優しい眼差しが、私の心を包み込んだ。
言おうかと口を開こうとしたその時。
私たちのいる教室のドアが少し開かれ、美来さんが嫌な笑みを浮かべながら私たちを見つめる。
二見先生は気づいていない。
口が開かなくなった。
それを見て、美来さんはニヤニヤした顔をしながら、ドアを閉め、ドアの隣についてある不透明の窓をドンと殴った。
