美来さん、その隣の麗さんに配る。
彼女らは、持ってきちゃダメなスマホでビーリアルを撮っているようだった。
震えそうになる手で、汁を置く。
「あー、石田さんありがと〜笑あっ、日夏さん、あっ、日夏ちゃぁん笑笑」
「石田さんありがとう〜笑笑」
嫌な感じに、近くにいる宗弥さん、檀崎晃(だんざきあきら)さんが吹き出して笑う。
別の日は、その彼らのところに配らねばならなかった。
2学期の最後まで、私が配りに来た時、檀崎さんは謎に話しかけて笑って彼らとも喋れた。
でも、やっぱり私が来た途端に静かになって、顔を上げられずに下を俯く私を、じっと見る。
そして、私の配ったものをタオルで拭く。
そのようなのも、全部二見先生は見ていた。
