君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~



急いでトークルームを開き、慌ててメッセージを打ち込む。



【心配させてごめんなさい。私は無事です。】


………と、こんな感じでいいかな。

とりあえず、一番心配したであろう蓮さんに送っておこう……と、送信ボタンを押した瞬間。


一瞬で既読がついて。


ヴーヴーッと、
画面に〈蓮さん〉の文字が表示された。




早くない……?
まさかこの人、ずっとスマホ見張ってた………?


───若干引きながらも、恐る恐る通話ボタンを押すと。



《由良、お前っ!!!!!!》


耳元で、キーンと声が反響した。

う、うるさっ………


《おま、お前っ…………》


怒鳴ったくせに、その後の言葉が続かないらしい蓮さん。


「は、はい……」

《今まで、どこで何してたんだよっ!!!!》



───怒っているようで、どこか震えている声。



「ご、ごめんなさ、」

《ごめんなさいじゃねぇ!!!!》

「っ、」


蓮さんの怒鳴り声に、思わず肩が跳ねる。


《どれだけ連絡したと思ってんだ》

《お前、急に連れてかれるし、電話もでねぇし》


途中で言葉が詰まる。
声に滲む焦りと不安に、胸がぎゅっと痛んだ。



「本当に、ごめんなさい。でも、蓮さんに心配かけるつもりは………」

《そんなの、わかってる》


一気に言葉を吐き出して、スッキリしたのか。
……少しだけ、落ち着いた声が返ってきた。




《……でも。無事なら、連絡のひとつくらいよこせよ。……心配、するだろ》

「────」




《……怪我は?》

「ないです。」

《飯、ちゃんと食ってたか》

「……はい。」


《そうか。……なら、いい》



たった一言の、短い返事。

───だけど、画面越しに吐き出された息で。
張りつめていた緊張が、解けた気がした。