闇色の姫

「…二人を呼べ」


『りょーかい』











数秒後、理事長室のドアが開いた。


『どうかしたの?』


不思議そうにしている由衣と紘。


凪がついさっき俺に説明したことを二人にも説明する。


『は!?』


真っ先に反応したのは紘。


そうだよなぁ。


やっぱりお前はそういう反応をすると思ったよ。


『…ふざけんな』


『…』


由衣は無言。


うつむいて何かを考えているのか?


『それって、鮫島じゃない…?』


うつむいたまま、由衣が小さな声でそうつぶやいた。


『『『『「は!?」』』』』


”鮫島”


忘れもしない醜いあいつの配下の名前。


”あの時”も”あの事件”にはあまり関わっていなかったものの、由衣をどん底に突き落とすあいつに手を貸していた。


だから、俺たちが一生恨むべき対象にある男。


出来るのなら今すぐにでもこの世から消し去りたい_