君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~





「「「「「由良、答えろ(てください)」」」」」



(────圧が、すごい。)


バイクの排気音さえかき消すような、男五人の一糸乱れぬ斉唱。



逃げ場を塞ぐように彼らに取り囲まれて、私は思わず半歩後退りした。





「………いや、なんでそんなこと気になるんですか。蓮さんたちには関係ないでしょう」


「なんでって……気になるから?」




なぜに疑問形なのか。

心底呆れながら陽人を見つめるが、本人は大真面目な顔をしている。


……それは、理由になっていません。



でも、これ以上渋れば、また変な推測を上乗せされるだけだ。


逃げ切れないと悟り、私は深いため息を一つ吐き出して口を開いた。






「はあ、………残念ですけど、僕には彼女なんていませんよ。」



”期待に応えられなくて申し訳ありませんね”と、嫌味を込めてフッと瞼を閉じる。



……当然だ。

私自身が女なんだから、”彼女”なんてどう考えてもいるはずがない。





組織での生活に明け暮れ、恋なんて贅沢を知る暇もなかった私には、縁遠すぎる言葉だ。








「………逆に、みなさんの方こそどうなんですか?僕も、気になります……!」


今度はこちらから攻める番だと、矛先を逸らすために不敵な笑みを浮かべて問いを投げてみる。



……けれど、返ってきたのはこれまた完璧な和音だった。






「「「「「いない(いません)」」」」」



なぜそこで、ピッタリと被るんでしょう。

この人たちのチームワーク、たまに発揮される方向性がおかしい……。