君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~



「口を開けば由良由良由良~ってな」

「昨日だって、由良がちゃんと来るかどうか心配で、何度も携帯チェックしてたくせに………」


「まっ、待てっ……お前ら、余計なこと喋るんじゃねぇ……っ///」



陽人たちの容赦ない暴露に、蓮さんは大きな手を振り回して必死に弁明しようとしている。


それからの慌てぶりは、周囲が呆れるほどに純粋で────それでいて、真っ直ぐなものだった。



私を仲間に引き入れ、光の中に導こうとしている彼ら。

………その中心にいる蓮さんが、偽物の私一人の動向にこれほどまで心を掻き乱されている。



………そんな風に真っ直ぐに私を見られたら、バックれようとしていた自分が、酷く薄汚れた存在に思えてくる。



罪悪感で胃の奥がツンと痛んだ、その時だった。





「…………でもさぁ、それってまるで……”恋する乙女”じゃない?」



にやにやと笑う裕太の軽薄な、けれど核心を突くような言葉が、深夜の空気の中に放り投げられた。


その場にいた全員の動きが、まるで見えない糸で操られたようにピタリと止まる。






「「「「はっ?」」」」


「おいコラ、旭、てめー何言って……」



最初に我に返った蓮さんが凄んでみせるが、裕太はどこ吹く風で肩をすくめた。



「だって、蓮ってばヒマさえあれば由良のこと考えてんでしょ?…………それってさぁ、もう恋じゃないの?」



「「「「…………」」」」




────沈黙。

誰も、何も言い返せない。



じっとりとした、重い沈黙が一同を支配する。


当の本人はといえば、顔の赤みが一気に引いたかと思えば、次の瞬間には爆発したような熱を持って、ぶるぶると震えだしていた。


……その限界寸前の反応は、否定というにはあまりに余裕がなさすぎる。