君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~




「…………」


私、思ったより蓮さんに気に入られてる……?


(──どうしよう。さっきまで、本気でドタキャンするつもりだったのに。)



姫が来ないなら、私が行く意味なんてない。


明後日は適当に体調不良の言い訳でも作って、サボるつもりでいたのだ。


……それなのに、彼らはこんなにも純粋に、私の参加を喜んで、仲間として受け入れてくれようとしている。




喉の奥に苦いものが込み上げてきて、私は思わず視線を床へ落とした。


(────これ以上、この人たちの真っ直ぐな優しさに絆されてはいけない。)





別に、嫌な気はしない。


けれど、私には彼らを”騙している”という後ろめたい事情があるから………。




私の名前も、過去も、性別さえも、すべては任務のために用意された精巧な偽物で。


────明後日の約束を破ろうとしていた最低な自分こそが、私の本性だ。





貴方は……もし、真実を知った時にどんな顔をするんだろう。


裏切られたことに呆然として、その場に固まる……?
それとも、騙された自分への情けなさに絶望して、激しく怒り狂う……?




それとも────……