君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~











「……………お前、女なのか」


ついに、禁忌に触れるようにその言葉を口にした。

心臓が喉まで競り上がってくる。
もし間違いだったら、俺たちの関係はここで終わるかもしれない。


………けれど、このまま「嘘」を抱えたお前を見ていることなんて、もう限界だったんだ。








「─────ッッッ!?」


バッと、はじかれたように由良が顔を上げた。

見開かれた瞳。震える唇。
隠し通してきたはずの城壁が、たった一言で音を立てて崩れ去った。

───その絶望にも似た驚きこそが、俺にとっては何よりも眩しい、希望の光だった。



「え、え、な、んで…………」


掠れた、けれど隠しきれない高揚を孕んだその声。
この反応は………


「図星、なんだな」


俺は、自分でも驚くほど穏やかな声を出していた。


苦しかったのは、俺だけじゃなかった。
お前もずっと、この窮屈な「男」という仮面の下で、一人で震えていたんだな。



「い、いや、違っ………」

「前から、なんとなく疑ってはいたんだ。………でも、今ので確信した。」


もう言い逃れできねーよ、と、俺は彼………いや、彼女の華奢な腰に手を回した。

男にしてはあまりにも細く、柔らかな曲線。
逃がさないようにグッと引き寄せ、その体温を全身で受け止める。

スルッと優しく、愛おしさを確かめるようにそこを撫でると、ピクッと愛らしく腰が跳ねた。



……あぁ、本当に女だったんだ。

叶わないと諦めて、胸の奥底に沈めていたこの想いに、ようやく居場所が見つかった。

男相手に狂っているのだと、自分を責め続けた夜はもう終わる。




腕の中にいるのは、守るべき、そして愛すべき、ただ一人の少女だった────