〈大晴SIDE〉


「うっ…」


頭が割れそうなほど痛くて目が覚める。


うっすら目を開くと、


そこには見慣れない白い天井が…


ここ、どこ…?


周りには同じように寝ている涼たちの姿が…


しばらく呆然としていると急に部屋のドアがあいて、女の子かと間違えてしまうほどかわいい顔つきをした小柄な男子が入ってきた。


『あっ、起きたんだ〜』


誰…?


『君たちね、気を失っちゃったんだよ〜』


気を失った…?


「あ、」


とたん、昨日の記憶が頭の中に流れ込んできた。


たしか俺、とてつもない殺気にあてられて耐えきれずに気を…


ん?


そういえば、由衣は…?


「由衣…!」


とぎれとぎれの記憶の中に、俺たちの前に由衣が立つ場面があったような…


あの藜とかいうやつでも立っていられないくらいだったのに


それを由衣は平然と…