「………わかりました。みなさんが、本当にそれでいいなら。」
私は一度、困ったように眉を下げ、それから小さく頷いた。
まるで、熱意に負けて渋々承諾した、気の弱い少年そのものの演技で。
「………本当か?」
蓮さんの声が、わずかに弾んだ。
期待なんてしていなかったはずなのに、その安堵したような響きに、胸の奥がチリりと焼ける。
「何度も言いますけど、僕ほんとケンカとかできないので、足手まといになっちゃうかもですけど……」
「ああ、お前が仲間になってくれるなら、それでいい。……元はと言えば、俺たちが原因だしな」
蓮さんは壁から背を離し、ゆっくりとこちらへ歩み寄ってくる。
……その足取りは、どこか確信に満ちていた。
「…………じゃあ」
「決まりだなっ!!!!」
「今更だけどさー、由良って何年?」
裕太さんがベッドの脇でひょいと首を傾げる。
(……ほんとに、今更。)
さっきまで散々「仲間だ」と盛り上がっておいて、基礎情報の確認すら後回しだったらしい。
「二年生、です」
「じゃあタメじゃん。敬語じゃなくていーよ」
「え、でも………」
「僕たちも"由良"って呼ぶし、由良も僕たちのこと、呼び捨てで呼んでよ」
「私からもお願いします。同年代に敬語を使われるのは、気が引けます」
「それに、仲間なのに敬語だとなんか距離感じるしな!!」
畳みかけられるフレンドリーな圧力。
(さすがにこの屈託のなさを見た後だと、断りにくいなぁ………)



