君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~


もし、それが本当なら……レンさんは、男装をしている私に惹かれているということになる。


それって、つまり……同性愛(ホモ)?
それとも最近流行りのBL的な展開?

………いやいやいや、そんなの冗談じゃない。
あまりに任務が迷走しすぎている。



レンさん、あなたからも否定してください──。
藁にもすがる思いで、懇願の意思を込めて視線を本人に向けると……


「っ……///」


さらに顔を赤くし、バッと音が出そうな勢いでそっぽを向いてしまったレンさん。

……えっ、否定は? ”そんなわけあるか!”っていういつもの怒号はどこへ行ったんですか?



「おやおやおやおや?これは恋の予感………」

「っ、だからそんなわけねーって……」


…………旭さん。
お願いですから、これ以上事を大きくしないでください。


周囲からのニヤニヤ視線が痛いし、これ以上は私のプライドが………




「……ってか、そもそも由良って彼女いんの?」


陽人さん……?
なぜ今の流れで、火に油を注ぐような質問を放り込むんですか……?


「たしかに。それは僕も気になるな」


大晴さん?
なぜそんな怪しい笑みを浮かべていらっしゃるのですか………?


「私からもお願いします。………由良さんのデータに情報を追加したいので。」


李兎さん、ここはあなたが論理的に場を収めてくれるところでしょう?

それより、いつの間に私の”データ”なんて作ってるんですか。
怖すぎますって………。



ツッコミどころが多すぎて、もはや声も出ない。
私はただ、この気まずい沈黙が早く過ぎ去るのを待つしかなかった。





けれど────、


「…………いるのか?」


地を這うような低い、けれどどこか切実な響きを含んだ声。

レンさん。
なぜ、あなたまでそんな、答えを恐れるような目で私を見るんですか……。


暗闇の中で光る、彼の真剣な眼差し。
”いない”と答えれば期待を持たせ、”いる”と答えればこの場が凍りつく。



私は一体、どうすれば…………。