『すっかり2人だけの世界に入っちゃったね〜』


なんていう聞き覚えのある声によって我に返る。


「凪…!それに朔も…!」


2人の後ろには由良の姿もあった。


キスを中断された紘は不機嫌そうだけど、いったんそれは置いておいて桜蘭のみんなと会えた感動をかみしめる。


『久しぶり』


『由衣、会いたかったよ〜』


「なんでみんながここに…?」


『"紘たちにも動いてもらう"って言ったじゃん』


「あっ」


そっかぁ…


そういえばこの前、由良がそんなことを言っていたような…


うれしくて、もっとみんなと話そうと2人のもとへ向かおうとする私の行動は、おなかにまわされていた紘のうでによって阻止された。


「紘…?」


『目の前に由衣がいるのに、これ以上我慢するなんて無理』


「ひゃっ」


紘にカプッと耳を甘噛みされた。


そして…


気がつけば私は紘にかかえられて空を飛んでいた。








『あーあ、これはしばらく離してもらえなさそうだね〜』


『そうだな。明日は起き上がれないかも』


『確かに〜』


なんていう凪たちの言葉は私の耳に入ることはなかった。