君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~

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「………あ、やっと来た~」


ブンブンと大きく手を振る旭。


「おせーよ」


「……って、毒はきながらも、口元がニヤけてますけどね。やれやれ、ツンデレはこれだからほっとけません………」

「っ……うっせ」



レンさんは不機嫌そうに鼻を鳴らしたけれど、その瞳は優し気に揺れていた。

私が来て、安堵したのだろうか……。


「………蓮さん」

「あ?……なんだ?」


「僕、蓮さんに言われたとおりにちゃんと来ましたよ……?」

「は?……あー、ああ」



しばらくして何かにピンときたらしいレンさんは、気まずそうに視線を逸らしながら、口元を隠すように右手を添えた。


私が”命令”を守ったことが、そんなに意外で、……そんなに嬉しいのだろうか。





「もしかして………照れてます?」



私はわざとらしく首をかしげ、少し意地悪に彼の瞳をのぞき込んだ。


エージェントとしての計算半分、そして──ほんの少しの好奇心半分で。


「は?んなわけ………」

「「「照れてる(ます)ね」」」



「ばっ………!!!!」


「由良、聞いてよー。最近のコイツね、由良の話しかしないんだよー」

「へっ?」


「ち、違っ………」



カッとレンさんの顔が、夕焼けよりも鮮やかな朱に染まる。